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北欧的暮らしのアイデア

2013年08月06日スウェーデン織物教室[アトリエ・アンカーペグ]探訪記 第1回:スウェーデンの織物文化(連載3回)

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住まいのリフォームから家具の修理まで"家"にかかわることは自分でやるのがスウェーデンの基本スタイル。
テーブルクロスや椅子の張地、なんとカーテンまで手作りしてしまうことも少なくないそうです。
自分でていねいに織り上げた布で住まいを彩ることができたら、なんだか楽しそう!

こうしたスウェーデンの織物文化に日本にいながら触れられるのが、
東京都町田市にあるスウェーデン織物教室「アトリエ・アンカーペグ」。

アトリエを主宰する菱田成子先生は、大学で染織を専攻され、日本でスウェーデン織の資格を取得。
ご自宅のアトリエや私立高校、カルチャーセンターなどで教えていらっしゃいます。

何度もスウェーデンを訪問され、現地のワークショップに参加された菱田先生から
織物のテクニックだけでなく、スウェーデンをはじめとする北欧の人々のライフスタイルや文化について、
エピソードを聞かせてもらえるのもレッスンの楽しみのひとつ!

連載スタートとなる今回は取材で聞かせていただいた、たくさんのエピソードの中から
スウェーデンの織物文化についてご紹介します。

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「これ、私が30年前に初めて織った作品なんです」

「初めての作品だから、きっと大切にしまわれていたんだろうな」と思ったら、次に出てきたのは、
「普段からテーブルクロスにしていて、使い終わったら洗濯機でざぶざぶ洗っちゃうんですよ」
という驚きの言葉でした。

スウェーデンでは、おばあちゃんが織り上げた布を孫の代まで使い続けるというのも一般的なこと。
「良いものを長く使う」という価値観は、建物や家具だけでなく布などの小物にまでしっかりと表れているのです。

「織り上げた布は使ってあげることが大切。使うことで色も手触りもしっくりと馴染んできます。」
先生の言葉どおり、見せていただいた作品たちはどれも色褪せることなく、
糸と糸がしっかりと結びついて、むしろ1枚の布としての輝きを増しているように見えました。

自分で織った布が、子どもや孫に受け継がれ、付けてしまったしみさえも家族の思い出になる―。
そんなおおらかな感覚って、なんだか素敵ですね。

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スウェーデンには「毛(ウール)はゴミになるけど、麻は"金-Gold"になる」という言い伝えがあるほど、
織物の材料には麻(リネン)を使うのが一般的です。
なんとバスタオルまで麻(リネン)で作られているそう!

綿のやわらかい手触りを好む日本人とは異なる感覚ですが、
実は、ここに長く使い続けられる秘密が隠されているのです。

天然の繊維の中で、一番強いと言われているリネン。
耐久性も高いので、毎日使って、ざぶざぶお洗濯しても丈夫で長持ちします。
また、リネンに含まれるペクチンには、汚れや雑菌をはじくという性質があり、
繊維の中まで汚れが入りこまないため、しみになりにくいのです。

その年に降る雨の量によって、色が変わるのも天然繊維ならではの特徴。
上の写真の3枚の織物はすべてリネンで作られていますが、収穫した年によって、ここまで色が異なります。

スウェーデンでは、リネンの糸が出回る季節になると、
「今年のものは、ちょっと色が濃いわね」なんて会話が聞かれるそう。
自然に寄り添う暮らしを楽しむスウェーデンならではのエピソードです。

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アトリエ・アンカーペグでは、テーブルクロスなどのテーブルウェアからラグなどの敷物、
ストール、バッグなどの小物、壁に飾るタペストリーや絵織物まで、
さまざまな用途の織物を制作することができますが、
今回はテーブルセンターやランチョンマット、バスタオルなど日常生活で使える作品を紹介していただきました。

どれもスウェーデンの伝統的な技法で織られたものばかり。
でも、織り模様が日本の帯や着物の生地に似ていたり、どこか懐かしさを感じさせます。

それもそのはず。
実は、織り方というのは呼び名こそ違えど
基本的にはどこの国・地域でも同じような技法が使われるのだとか。
織物の地域的な特徴や織り手の個性を表現するのは、糸の材質、そして何よりも色づかいで決まるのだそうです。

奥が深い織物の世界。
身近にあるものだからこそ、どのようにできているのか知ることで
ますます愛着がわいて、大切に使おうという気持ちになれるのかもしれませんね。

次回は、織物の世界に触れられるアトリエ・アンカーペグでのレッスンについてお伝えします。
どうぞお楽しみに!

ATELIER ANCHOR-PEG アトリエ・アンカーペグのご紹介
スウェーデンの伝統的な技法を学べる大型織機コースから簡単な木枠を使って絵織物を織るコースまで、初めての方も本格的な技術を身に付けたい方も織物を楽しめる教室です。
WEBサイト:http://members3.jcom.home.ne.jp/anchor-peg/
Facebookページ:https://www.facebook.com/AtelierAnchorPeg
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